前回の投稿では、カラスのような賢い動物ほど、結果への最短距離を自ら探そうとする能力が高いというお話をしました。
実はこれ、私たちの身近にいる家庭犬にも全く同じことが言えます。
一見、言うことを聞かない「問題犬」に見える子であっても、もしかしたらその子はただ賢いがゆえに、飼い主であるあなたよりも先回りして「合理的な行動」をとっているだけなのかもしれません。
犬たちは常に「思考の効率化」を図っている
「どうすれば早く散歩に行けるか」
「どうすれば飼い主が構ってくれるか」
彼らは人間が思う以上にこちらの行動を細かく観察し、思考と行動の効率化を図っています。
その結果、人間にとっては「なんでこんなことばかりするの?」と頭を抱えるような行動になってしまう――これが、問題行動の多くに潜むメカニズムです。
彼らは決してあなたを困らせようとしているのではなく、彼らなりの知性を使って、その状況における「最適解」を導き出しているに過ぎません。
賢い彼らの「先回り」をさらに超える
では、そんな知能の高い彼らとどのように向き合えばいいのでしょうか。
彼らの先回りを人間がさらに超えるためには、まず人間側が「明確なゴール」を定義している必要があります。
こちらが曖昧な態度であれば、彼らは即座に自分たちのルール(最短距離)を適用します。だからこそ、私たちはリーダーとして、揺るぎない正解の道筋を示さなければなりません。
愛犬と納得のいく「正解」を見つけるためのヒント
ダメなことを叱る前に、「何が正しいのか」を伝えることに専念してください。叱ることは、彼らにとって「その道は行き止まりだ」と伝えるだけで、正解を教えることにはなりません。賢い子ほど、行き止まりを見つけると別のズルい道を探し始めます。最初から「これが最短で確実な正解だよ」と分かりやすく提示してあげること。それが彼らの知性を尊重する教え方です。
人間側が、その時々の状況において「どうなってほしいか」という明確なゴールを決めておくことです。例えば玄関から出る際、興奮して飛び出すのが最短距離だと思っている子に対し、「座って待つことが、外に出るための本当の最短距離である」と一貫して教え込む。人間のルールの中で彼らが納得できる最短距離を一緒に作っていくことが、お互いの絆を深める本当の意味での「しつけ」に繋がります。
確固たる強さを持つ
愛犬の知性を「困ったもの」として押さえつけるのではなく、その賢さを正しい方向へガイドすること。
あなたが確固たる基準を持ち、明確なゴールを示し続ける導き手であれば、愛犬は自分で勝手なルールを作る必要がなくなります。人間の提示する道が最も安心で合理的だと理解したとき、彼らは初めて心からリラックスし、あなたにその知性を委ねてくれるようになるのです。
知性ある生き物同士として、力ではなく「納得」でつながる関係を目指していきたいですね。
