フードやおもちゃを守って唸る!“リソースガーディング”対策

愛犬がごはん中に近づくと歯をむいて唸る、ボールをくわえたまま離さず唸り声――。「取らないよ」と声をかけても緊張が解けず、うっかり手を伸ばせば噛まれる危険もあります。

これはリソースガーディング(資源防衛行動)と呼ばれ、“食べ物やおもちゃ=貴重な資源”を守ろうとする犬本来の本能が過剰に表れたもの。叱って取り上げると“守らなきゃ! → もっと激しく防衛”の悪循環に陥りやすく、放置すれば家族間トラブルはもちろん、来客や子どもとの事故につながる恐れも。

ここでは本能と学習メカニズムをひも解き、段階的トレード練習×環境マネジメント「守らなくても安心」を教える実践ステップを紹介します。今日から取り組み、平和な食事&遊び時間を取り戻しましょう。


なぜ守る?犬の本能と学習メカニズム

要因行動への影響
野生時代の“獲物死守”本能取られれば生死に直結したため、奪われそうな気配に敏感
過去に奪われた経験食器を下げられた、咥えた物を即取り上げられた→“来られたら取られる”学習
高価値アイテム限定乾燥フードは平気でも牛骨・新しいおもちゃで防衛が強化されやすい
ストレス・不安留守番や環境変化で情緒不安定になると資源確保行動が強まる

ポイント:唸りは「それ以上近づかないで」のサイン。叱って黙らせても根本の不安は残り、次は噛みつきで表現するリスクが高まります。

防衛行動が強化される典型パターン

  1. 犬が食べる/遊ぶ
  2. 飼い主が取り上げる
  3. 犬「取られた!」と学習
  4. 次回から唸り→飼い主が一歩引く
  5. =“唸れば回避できる”成功体験 が定着

守らなくても安心!3ステップ対策プログラム

Step 1.環境マネジメントで“成功ゼロ”を作る

  • 食事・ガムは静かな別室かクレート内で与え、途中で取り上げない。
  • おもちゃは数を減らし、出す物を管理(遊び終わったら片づける)
  • 子どもや他犬が近づけないレイアウトにし、守る必要性を感じさせない。

Step 2.“トレードゲーム”で信頼を構築

  1. 犬が低価値おやつを咥えたら、より高価値トリーツを鼻先へ
  2. 犬が落としたら「いい子!」と声掛け&高価値トリーツを手渡し。
  3. 落としたアイテムはすぐに返す(取られない安心感を作る)。
  4. 成功率80%で価値を徐々に上げ、最終的に食器・大好物でも交換可を目指す。

Step 3.“放して”の合図を教える

  • トレードでスムーズに口を開くようになったら、交換直前に**「ちょうだい」「アウト」**を追加。
  • 合図→口を開く→ご褒美→アイテム返却、を繰り返して言葉=良いことの予告にする。

場面別ミニテクニック

シチュエーションコツ
食器を下げたいとき近づく前に“お皿に追加トッピング”→犬が顔を上げた隙に静かに下げる
散歩中の拾い食い「アウト」⇨高価値トリーツですかさず交換、拾い食い記事のLeave it練習と併用
多頭飼いの骨ガム各犬を別スペースに分け、終わったらガムを回収→同時に再集合しトリーツ配布

Q&A:よくあるお悩みを解決

Q1:唸ったときに引かずに続けると危険?

はい。唸りは“安全弁”。無視すると咬傷に発展しやすいので一旦距離を取り、後日低価値アイテムからトレードを再開してください。

Q2:交換するとき手を噛まれそうで怖い…

トングや投げ込みでトリーツを渡し、慣れるまで手では直接触らない方法でOK。徐々に距離を縮めましょう。


追加のヒント

  • 満腹度を下げて練習:空腹ピーク時は防衛が強まりやすいので、食後の落ち着いたタイミングで開始。
  • 口を使う知育トイで発散:引っ張りロープやKONG®で“合法的に保持&離す”経験を積むと自信UP。
  • プロのサポート:強い攻撃行動が出る場合は行動専門獣医師・トレーナーへ早めに相談。

まとめ

リソースガーディングは
①本能的資源防衛 ②取られた経験 ③唸りで成功した学習
で強化されます。

  1. 守る必要がない環境を整え、
  2. トレードゲームで“放すと良いこと” を刷り込み、
  3. 「ちょうだい」合図を条件づけ――

この流れを数週間~数か月続ければ、「取られない安心感」と「放すと得」の認識に書き換わります。叱責より信頼と予測可能性の構築がカギ。今日から一歩ずつ始め、安全で穏やかなフード&おもちゃタイムを取り戻しましょう!

この記事を書いた人

ANK一般社団法人