散歩中や家の中で、愛犬が落ちているものやテーブルの下にある食べかすなどをパクッと口にしてしまい、焦った経験はありませんか?「いつの間にか何かを咥えている」「叱っても一瞬で飲み込んでしまう」など、拾い食いは飼い主にとって大きな悩みの種です。もしも有害なものを食べてしまったら、体調不良や中毒など命に関わるリスクさえあります。
実は、拾い食い行動の背後には犬の本能的な嗅覚・探索欲求や、学習不足によるコミュニケーションのミスが関係していることが多いのです。特に子犬のうちは「口に入れて確かめる」という習性が強く、大人になってもそのクセが抜けずに苦労するケースが少なくありません。
本記事では、拾い食いの原因と対策をQ&A形式でわかりやすく解説します。安心・安全な生活を送るために、今日から実践できるポイントをしっかり押さえていきましょう。
犬が拾い食いをする本当の理由
犬の先祖であるオオカミの狩猟本能をルーツに、「食べられるものを見つけたら、まず口に入れる」という行動は犬にとって自然なことです。特に散歩中はさまざまなニオイをキャッチし、興味をそそられる対象がいっぱい。子犬は好奇心旺盛なため、落ちているものを見つけると“これは何だろう?”と口にして確認しようとします。
また、飼い主が食べているものや美味しそうな香りがするものを「自分も欲しい」という欲求から盗み食いに近い行動へ移行する場合も。このとき、家族から「こらっ!」と声をかけられても、すでに犬にとっては“おいしいものを手に入れる瞬間=成功体験”になっている可能性があります。これを繰り返すと、叱られても拾い食いをやめないという学習が進んでしまいがちです。
さらに、運動不足やストレスが溜まっている犬は、拾い食いをストレス解消や飼い主の気を引く手段として使うこともあります。たとえば、飼い主の注目が欲しいときに拾い食いをすれば「やめて!」と反応してもらえるため、犬にとっては一種のコミュニケーションになってしまうのです。このように、拾い食いの背景には複数の要因が絡んでいるケースが多いため、根本的な解決には総合的な対策が求められます。

“一度口にして確かめたい”が犬の本能
犬は嗅覚だけでなく、口に入れて“噛む・舌で触る”ことで情報を得ようとします。特に子犬や若い犬は未知のものに興味津々なので、ほとんど反射的に拾い食いをすることがあります。叱るだけでは根本解決につながりにくいため、拾い食いする前に止めるトレーニングが重要です。
拾い食い防止に効くトレーニング方法
1. 「Leave it(それをやめて)」コマンドを教える
拾い食い防止の代表的なしつけが「Leave it(または“アウト”などの号令)トレーニング」です。犬が興味を示すものに近づこうとしたり口に入れようとしたら、すかさず指示を出し、その場から離れたらすぐに褒めておやつを与える。これを繰り返すことで、拾い食いをやめると良いことが起きると学習させます。最初は家の中など落ち着いた環境で練習し、犬がコマンドを理解したら、徐々に散歩中にも応用していきましょう。
2. 興味の転換を上手に使う
犬が拾い食いをしようとした瞬間に、飼い主が別のおもちゃやおやつで犬の注意を引き付け、“拾い食い対象”から目をそらす方法も効果的です。この行動は「ディストラクション(気をそらす)」とも呼ばれます。成功したら大げさに褒め、犬にとって「落ちている物よりも、飼い主と遊ぶほうが楽しい・おいしい」と感じさせるのがポイントです。
ただし、こちらもやりすぎると、「拾い食いしようとすると飼い主がかまってくれる」と誤解される恐れがあります。あくまで“やめたときに褒める”を徹底しつつ、なるべく早い段階で「そもそも口に入れようとしない」習慣づくりを目指しましょう。

3. そもそも落ちている物に近づきにくい環境づくり
家の中では床に食べ物や小さなゴミを放置しない、キッチン周りを整理するなど、人間側の管理を徹底することも大切です。散歩コースも可能な限り、落ちている物が少ないルートを選び、リードを短めに持つなどして物理的に拾い食いを阻止できる環境を整えましょう。
また、十分な運動や遊びを取り入れることで、犬のストレスを減らし、拾い食いへの興味をそもそも下げるのも有効です。散歩前や室内での遊びで適度にエネルギーを発散させておくと、道端のゴミなどへの執着が若干和らぐケースが多く見られます。
Q&A:拾い食いで困ったときの対処法
Q1:すでに口に入れてしまった場合はどうする?
口の中にあるものを無理やり取り出そうとすると、犬が余計に飲み込みを早めたり、攻撃的になるリスクが。まずは落ち着いて「アウト」や「ちょうだい」のコマンドを使い、口から出せたら即座に褒める・ご褒美を与えましょう。慣れていないうちは焦りすぎないことが大事です。
Q2:散歩中に子どもが食べかけのものを落とすなど、予想外の事態が多い…
急なアクシデントは避けられないため、まずはリードのコントロールを徹底しましょう。リードを短めに持ち、犬が何かを見つけて興味を示したら素早く「Leave it」と声をかけ、注意を飼い主へ向けさせてください。指示に従えたときのご褒美を用意しておくと成功率が高まります。
まとめ
拾い食いは、犬の本能や好奇心が大きく関係しているため、ただ叱るだけではなかなか改善しません。大切なのは「犬が拾い食いをする前にやめる行動を教え、成功体験を積ませる」こと。
具体的には「Leave it」や「アウト」といったコマンドのトレーニングで拾い食いを止め、やめられたらすかさず褒めてご褒美を与えましょう。さらに、家の中や散歩ルートの管理を徹底し、そもそも危ない物を口にしづらい環境を整えることも重要です。
もしも何度トレーニングしても改善がみられない場合は、専門のドッグトレーナーや獣医師に相談してみるのも良い方法です。誤食は取り返しのつかない大事故を引き起こすリスクもあるため、安全第一で日頃から防止策を実践していきましょう。ぜひ今日から少しずつトレーニングを始めて、安心・安全な毎日を愛犬と一緒に過ごしてくださいね!
